趣味数って何？

ときに、アレルギーは英語読みではないな

綴つづりは allergy ゆえ、強引にローマ字読みするとアレルギーと読めんこともない。だがしかし、実際の英語の発音を片仮名外来語風に書くと『アラジー』

いや、事実。『アレルギー 英語』で Google 検索するとGoogle 翻訳窓が出てくるはずなので、スピーカー印を押して発音を聴いてみるが良い

同様な単語としてエネルギー (energy) もある。英語発音を外来語風に書くと『エナジー』

左様

いや。恐らくドイツ語の発音

明治時代前後、科学技術や医学などはドイツから学ぶ場合が多かったらしく、その手の分野ではドイツ語由来の外来語が結構ある模様

『アレルギー ドイツ語』検索後発音でいけるはず。なお、ドイツ語の発音は第二次世界大戦後、英語の影響などで少し変わっているそうで、母音の後ろに続くRの音がかなり母音化して『ァ』のようになる感触

更に、アクセントのない音節のERについては、『エァ』ではなく『ア』のようになる模様。結果、アレルギーではなく『アラギー』のように聞こえる

数学分野でも、ベクトルやテンソルの読みはドイツ語由来な雰囲気。英語だと『ヴェクター』(vector)、『テンサー』(tensor) だし。そして今のドイツ語では、『ヴェクトァ』(Vektor)、『テンゾァ』(Tensor) てな感じ

ああ、そうかい

(☝少し怒オコ？)

小中高の算数や数学は18世紀ごろまでの古典(？)数学的で、現実の世界というか物理的なイメージや直感に引き摺ずられている印象

その後、大学で理系の学科に進むと微分積分⸺高校で学ぶ内容の上乗せ⸺や線形代数などを学ぶが、これらは19世紀ごろに厳密化が進められた数学の段階となり、雰囲気がかなり変わってくる。この違いに戸惑って辛つらい思いをする学生が多い予感。まあ、わしもそうだったが

そして数学科で学ぶ数学ともなると、19世紀後半から20世紀にかけてカントール (G. Cantor) 先生に始まる集合論やヒルベルトプログラム (Hilbert’s program) などによって思い切りイデアの世界(？)に抽象化された体系と化しており、わし的な所感としては相当な慣れが求められる形態だ

うーむ。高校の途中で数学から離れた者に、その段階までの範囲が普通の数学などと視野の狭い主張をされても、何か違うというか……

(☝いかにもマニア／オタク的なウザい発言？)

わしのように工学系の学科に進んだ者だと、まあ応用数学的なんだが、あれこれ含めると話がややこしくなるゆえ、ここでは純粋数学的な場合に限るとしよう。で、独断と偏見で短く言うと⸺

まず、プロ数でも趣味数でも、従事者は皆、金儲もうけなどのためではなく、好きで勤いそしまれる。多分

ふむ。確かに数学の場合、好きな人と嫌いな人の差がとりわけ激しい気がする。その真因と対策を完全に解明できたら、数学教育は大きく変わるのかも知れん

(☝大おお袈げ裟さ？)

多少の傾向はあると思う。例えば、数理パズルの解法や数理的なゲームの必勝法といった議論は、趣味数の人が好みそうな分野かもしれん。まあ、わしもだが

だがしかし、趣味数の人でも、本職が追求するガチ(？)な分野に邁まい進することがあるし

逆に、本職の人がゲームの必勝法的な分野で大きく貢献していることもある

わしのようにパズルやゲームの数理に嵌はまると、その延長でゲーム理論、組合せゲーム理論、より一般的な組合せ論やグラフ理論を含む各種離散数学、群論、整数論、コンピューターアルゴリズムなどに突っ込んだり。また、グレブナー基底といった話題を経て、環論、代数幾何、ホモロジー代数、圏論とか

裁ち合わせパズルやタイル張り問題等から幾何学系に進むこともあるか。加えて、折り紙から折り紙幾何学、あやとりとか紐を使う知恵の輪から結び目理論や組紐理論、より一般的な位相幾何学とか

あと、工学系では応用数学的に微分積分を含む解析を用いることが多いので、その一環で微分方程式やヒルベルト空間論、関数解析、超関数論、更にルベーグ積分や確率過程を経て確率微分方程式とか。フーリエ変換からのウェーブレット変換なんてのもあるな。数値計算も必要になったりするので、計算物理学の一般論を経てコンピュータシミュレーションを含む各種数値計算アルゴリズムとか

そうだ。パズルやゲームを扱っていると、人工知能的なアプローチに注目することもあるな。純粋数学というより応用数学というかコンピュータサイエンス的だが。古典的には深さ優先探索、幅優先探索、アルファベータ(αβ)法といった探索系だが、機械学習も使ったりする。かつては各種の統計的機械学習法がメインな雰囲気だったが、昨今は人工ニューラルネットワークによる深層学習(ディープラーニング)および強化学習との組み合わせなどが注目されておる。生成AI等に使われている技だな

勿もち論、これまでに述べた系統以外の分野も多様にあるとは思うが、わし程度の見識では網羅し切れんし……

なんじゃ、そりゃ？

ふむ。具体例としては、コンウェイ (J. H. Conway) 先生が⸺

何っ！　コンウェイ (Conway) 先生を知らんとな？

むぅ……。数学に興味がなければ、まあそうなのかも知れんな……

コンウェイ (Conway) 先生は位相幾何学や有限群論など、主流の数学分野でも多くの業績を残されているゆえ、数学科出身者などなら大抵、知っとるはずなんだが……

コンウェイ (Conway) 先生な！

……先生は組合せゲーム理論 (Combinatorial Game Theory) の開祖的な業績も残されている。要するに、ある種の数理ゲームについて、必勝法などを数学的に考察する分野だ。『数学ゲーム必勝法 (Winning Ways for Your Mathematical Plays)』という書籍も出版されているぞ

(☟相方の無関心など全く気にしない体ていで)

正確に言うと、impartial games については、Conway 先生以前に Sprague & Grundy 先生方が深い体系を確立されていたんだが、Conway 先生と何人かの協力者が partisan games も含めた枠組みを確立された

てなわけで、本職の人と趣味の人がどんな分野を手掛けるかの境界はかーなーり曖昧だ

だから、あまり本質的な違いはないと言っとる

強いて言えば、プロは研究者の実力競争で勝ち残ったデキる人々だし、研究に掛ける熱意や時間などもずっと多いから、大きな業績を残すのは大抵プロだな

数学科出身ではない身ゆえ実体験的には知らんが、わしが行った学科からの類推では、学部生⇒修士課程⇒博士課程⇒ポスドク⇒助教⇒准教授⇒教授といった典型的(？)な研究者の道を突き進む人はごく一部だ

別に数学に限らんだろ？　例えば、サッカー好きな青少年は結構いるが、プロのサッカー選手になる人はほんの一握り、的な

基本的には研究者としての実力だが、厳しい選抜過程もある。これもわしの行った学科からの類推だが、数学科でも概おおむね同様なはず

まず、大学や大学院には入試があるから、それらを突破せんとな。当然、合格できなければその時点でアウト

大学院以降は、まあ研究者という感じになっていくが、研究者たるもの、注目される研究成果を出さねばならん。博士課程辺あたりになると最前線の研究に近くなるんで、良い研究成果を出すのは大変だ

この段階で研究が迷走して断念する状況も無きにしも非あらず。研究というのは、多くの失敗の積み重ねの中から何とか成功を勝ち取るものゆえ

あと、ポスドクぐらいまでは収入が厳しい場合があるんで、親が金持ちとかバイトしてでも頑張るとかでなければ、安定収入のある道に転向するかもな

更に日本では、ポスドクに突入すると企業への就職が微妙になりがちって傾向もあり、研究によほどの自信がなければ、博士課程修了時に就職の決断も必要かと思われ

助教以降は、比較的安定した研究生活かも知れん。そこに達するまでに相当、絞り込まれてはいるけどな。且かつ、油断は禁物かも知れんが

勿もち論、もっと上り詰めようと思えば、いわゆる出世競争があるわけだが。このステージになると、継続的な研究成果以外にも、人間関係や政治能力的なもの、上席が詰まっているか否かの運、なども関係してくるかも

妙に哲学的な方向だな。実際のところ出世を目指す動機としては、一般的な昇給、権力欲、名誉欲等もあるだろうが……

研究職に特有な動機として、より多くの研究費獲得って側面も大きいはず。金が足りなければ大規模実験等ができず更なる成果を出せない、的な？　で、出世しとる研究者の方が、より大きな研究費配分を確保しやすいわけで

もっとも、純粋数学分野では⸺多少の例外を除き⸺さほど研究費は必要ない気もするけれども

むっ！

わしの場合は工学系だったから、大学で学んだ分野にそこそこ当て嵌はまる会社に就職して、それから〇十年、社畜あるいは給料泥棒をしておったぞ

数学科出身の知り合いから聞いた話では⸺

確率統計、金融工学系の勉強をして、アクチュアリー(保険数理士)など金融系の会社に勤めるってのが、生涯収入的には勝ち組らしい。かなり古い話なんで、今はどうだか知らんけど

それ以外だと、大学以外の学校の先生や塾講師とか。研究ではなく教育主体になるものの、割と数学っぽい仕事ではないかな、と

何故なぜに？

これはひどい

それはそれとして。あとは……っと、そうだ。わしが勤めていた会社の業務は数学科出身が有利とは全く思えんかったが、それでも数学科出身の人がいたから、数学っぽい路線を断念すれば様々な道がある感触

会社の実務では、大学で学ぶ専門知識とは結構違うことを入社後にあれこれ習得しなければならんケースが多いんでな。大学の専門とのミスフィットは、さほど大きなハンディキャップにならないケースもありがち。まあ、業務内容によるばらつきが相当あるけどな

これこれ。わしの個人的な嗜好情報を漏らすでない！

只ただのオッサンなのは見ればわかるからな

むっ！

幼少期から

幼稚園の記憶は曖昧だが、小学生のころは既にかなり

だがしかし、若い時分は欲しい情報を入手する手段がほぼ書籍のみだったため、歯痒がゆい思いをしたものだ

惰性: フッ。わしが青少年の頃は、そんなものは未まだない！

それらを知った今となっては、もう元には戻れない心境ゆえ、わしも似たようなものだが。思い起こせば、『なければないで何とかやっていた』というところか

で、幼少期から〇十年を経て、情報チャネルの神といえるインターネットが普及してきた時期は、仕事が忙しくて趣味数の時間を十分に取れず、引き続き歯痒がゆい思いをしておった……

そして遂ついに数年前、幾らでも時間を取れる段階に達し、ようやく趣味数を堪たん能できる人生になったわけだ。めでたい

嵌はまっていたのは、主に数理パズル／数理ゲーム系なのでな。本業にするより趣味で楽しむのが良い感じだと思った。それに、わしの実力では数学者として一線のレベルには到達できんだろう、との自己分析もあった

大体

実じつは、年、月、日が全て素数になるよう、多少の脚色をした

まあな。例えば忘年会などで居酒屋に行って下駄箱があると、思わず素数の番号を選ぼうとしてしまうんだな、これが。更に言うと、４で割ったとき１余る素数が良い

そういえば、YouTube のしがない数学徒 channel にある「私はロボットではありません」動画を見て、東急系某ファッションブランドにまつわる数が素数との指摘に、そこはかとなく深い感銘を受けた。特に、この数は４で割ると１余る素数だし

まあまあ。そう熱いきるなし

わしがそういうことをする人間だと決めつけられるのは、真まことに心外だが……

心配すな。これはわしが独自に用意した問題だ

手作りではない。どうやったかと言うと、わしが書いたコンピュータープログラムを走らせて自動生成した

フッ、この程度は、な

(ドヤ顔？☞)

済まぬ済まぬ。話を戻すと⸺

クロスワードはなあ……。確かに雑誌の種類は多いし、良い暇つぶしにはなるが……。解くのに語彙力が必要だから、純然たる数理パズルとはちょっと違うような

解答に含まれる単語を知らなければ、解きようがないだろ？　縦横関係や当てずっぽう等により偶々たまたまマスを埋められたとしても、自分は正解したという納得感が得られないはず

実際、語彙の少ない子供⸺例えば小学生低学年⸺が大人用の通常クロスワードを解くのは非常に辛つらい。だもんで、子供でも分かる基本的な単語に限定した子供用クロスワードなるものがあったりする

逆に、有機化学クロスワードなど、特定専門分野に特化した問題もある。有機化学系の例では、フラーレンや鈴木・宮浦カップリングといった当該分野の専門用語がてんこ盛りだ。この手のものは、大人でも専門外だとまず解けん

お次は間違い探しや点つなぎだが……これらも雑誌は結構あるものの……解き方は注意力の嵐って感じで数理パズル的ではないな

ぶっちゃけるとわしもだが。解くために荒業を使ったりしてな

まずは、数独／ナンプレのルールを満たす解答は全部で何通りあるかの数え上げ問題。他のロジック系についても同様の問題が考えられる

お次は……そうだな。ロジック系パズルの解説記事や動画は既にかなりあり、多くの人が色々な解き方を編み出しておる。その上、同様な解き方に対し、その名称が人によりまちまちなこともある。数独／ナンプレのように世界的に有名なパズルになると、世界中の人がそういうことをするから、それらを集めて整理するのは大変そうだ。が、挑戦ネタとしてはあり

なお、上級／超上級の解き方になると『よくそんな方法を思いついたな』と感心するほど凝っておるし、大抵はかなり複雑なので、解き方の内容をきちんと把握するのも容易ではない。特定問題の中で、そういった複雑な方法を適用できる箇所を見つけ出すのも、やはり容易ではないことが多い

他には……ふむ。数独／ナンプレといったロジック系パズルでは、解が無い問題は論外として。解が複数ある問題も不完全扱いなんだが

なお、解が無い問題のことを、詰将棋の用語を援用して『不詰め』と呼んだりするようだ。解が複数ある問題については、やはり詰将棋用語に準じて『余詰めあり』と呼んだりする模様

ここで、不詰めでなく余詰めも無い⸺つまり解が丁度１個になる⸺問題を、仮に『お約束遵守問題』と呼ぶことにしよう

それから、数独／ナンプレで最初から書いてある数字のことを、その筋では『表出数字』と呼んだりするようなので、ここでも使わせてもらう

で、数独／ナンプレについて、『お約束遵守問題の範囲で、表出数字の数をどこまで減らせるか』という『最小表出数字数問題』ってのがあるぞ

この問題は数独／ナンプレ特化だが、他種パズルについても、それぞれに特化問題が考えられているケースがよくある

その顔、止やめい！

即答？！

……まあいい

もう一つだけ挙げておくと、オリジナルの問題ルール設定をひねる方向もある。いわゆる亜種／バリエーションだな。ひねり方によっては、もっと楽しめる問題を編み出せるかも知れん

数独／ナンプレだと、対角線ルールを追加するとか、９×９の盤面を複数合体させる、などが既にあるな

いや、あまり分かってないんだが……

うーむ。期待を裏切るようで心苦しいが、パズル問題の自動生成はかなり古典的な問題で、大きな流れは従前から良く知られている。だもんで、後は個別問題毎の味付けをするだけ

更に言うと数独は有名なんで、個別味付けレベルの詳細も、既に先人がいろいろな流儀を編み出している。そういうのを調べて、切ったり貼ったりひねったりしただけ、というのが実態に近い。独自の工夫が全くないわけでもないが

そうは言うがな、夢未さんや。科学技術というのは多くの関係者による地道な積み上げにより発展してきているわけで。著名な研究者でも、先人の積み上げがあってこそ成果を出せておる。勿論もちろん、偉大なる研究者は独自の積み上げ貢献分が大きいからこそ偉大なんだが……

わしのような趣味のジジイにあっては、ほんの少しでも積み上げできれば『結構頑張った』と言えるのではないかと

むむむ。確かに数独の問題生成プログラムについては、真似っこに近いかも知れん。それは認める

とは言うものの、数独ほど超メジャーではない他のパズルで同様なことをやろうとすると、先人による積み上げが少なくて、問題毎の個別味付けで妙に苦労するのが常つね

じわじわと、な

まあ、そうだな

一概には言えんが……。例えばクロスワードだと、単語の並んだ盤面の生成もそれなりに面倒だが、『ヒント』の自動生成が難儀

お絵かきロジック／ののぐらむでは、解答候補のドット絵がいわゆる『ちゃんとした』問題⸺即すなわち別解がないもの⸺かどうかのチェックは比較的容易なんだが、『人間が見て意味のあるドット絵』の自動生成が辛つらい

鋭いな。その傾向はあるぞ

なお、いかにもロジック的なパズルでも、例えばスリザーリンクやぬりかべ等、線や黒マスといった要素が繋がっているかどうか、即すなわちグラフ理論で言うところの連結性が絡むタイプは、相対的に自動ソルバーや自動生成が難しい感触。最近でもその手の論文が散見されるし、な

だからその顔は止やめろとあれほd

明確な定義があるかどうかは謎。わしの推測では、パズルを解いた後に感じる満足度や印象、ってところか

満足度ってのは、素朴には『面白かった』あるいは『つまらなかった』と感じる度合いのことだと思われ

だがしかし、要は解いた人の感覚だから、定量化は容易ではないかも知れん。各人による違い／ばらつきもあるし。同一人物でも、パズルを沢山解いていると次第に解くのがうまくなってくるから、当然、解いた後の感じ方も変わってくるだろうし

まあ、官能評価分析ではありがちなことだが

パズルを解くのにかかった時間を測るなどすれば、被験者にとっての難易度は、ある程度定量的に把握できるだろうな

しかし、簡単なら面白いとか、あるいはその逆とか、そんな単純な関係ではないと思われる

恐らく、各人にとって程よい難易度があり、それに近ければ面白いんだろうな。逆に言えば、簡単すぎても難しすぎても面白くないってこと

加えて、解き筋も関係すると思われ。解き筋すじの詳細が、解いた後の諸々もろもろの印象にもなるのだろうし。『これは味のある問題だった』とか『無味乾燥な問題だった』とか『〇〇という新たな解き筋がアツイ』、などなど

『解き筋』もパズル作家／愛好家界隈で使われる用語っぽいが、これもやはり、明確な定義があるかどうかは不明

わしの所感では、少なくとも三つの似て非なる意味があるように思われる。①問題を解き進める際に用いるコツや定石自体、②ある問題の中で何らかのコツ／定石を適用できる特定箇所、③色々なコツ／定石を使える箇所に適宜適用して問題を次第に解いていく全体的な流れ／手順／段取り

あまつさえ、①〜③それぞれについてパターン分類的な議論もあるかも知れん

混乱を避けるためには、例えば解き方かた、解き所どころ、解き順など、用語を使い分けるのが吉きちではないかな、と

そこか。パズルを解くとき、慣れない内は試行錯誤的になり、やたら時間がかかるのが普通だ。ところが、何問も解いていると、『効率的な解き方のパターン』的なものに気付くわけだな。閃ひらめきというか。で、その種のパターンが増えてきたり、それらの使い方に慣れてきたりすると、解くのが次第に速くなってゆく

そういった解き方パターンを、一般的にはコツとか定石とか呼ぶ模様

コツや定石を発見する喜びを知りやがって！　お前、許さんぞ！

⸺ってのは戯言たわごとだが。でもって、独自の解き方を発見した後、解き方の解説動画などを見てみたら、自分の発見した解き方が『初歩的な方法』扱いになっていて落胆、とかな

フッ。誰もが一度は通る道、なのだよ

恐らくだが、解き筋⸺この場合は解き方⸺にも、素朴なものから凝ったものまでレベル的な何かがあるはず。解き所についても、発見しやすさ／しにくさ等がありえる。そして、それぞれについて各人の習熟度に見合った程よい加減があるのではないかな

加えて、解き順⸺つまり全体の流れ⸺についても、少数の解き方を延々と繰り返してゴリ押しするタイプの問題は解くのが単調になり、あまり面白くない気がする。幾つかの異なる解き方を適度に混在させて解くようなタイプが、モアベターのような

わしが嵌はまっていたのは別な種類のパズルなんで、数独／ナンプレはそれほど沢山解いていない。せいぜい、2,000問前後ってところか

うーむ。数的にはそこそこかも知れんが……。残念ながら、わしはパズル作家が作ったと思われるニコリのロジック系しか解いたことがないのでな……。コンピューターによる自動生成問題と解き味を比べた経験はない

おや？　お前さんはトランプのWEBサイトやアプリで遊んだことはないのかな？　あるいは、遊んだことはあるものの、常に対人のオンライン対戦のみとか？

シングルモードなどと呼ばれる遊び方だな。その際、対戦相手は誰だと思っとる？

ひょっとして、裏に人間の黒子が多数張り付いていて、インターネット経由で相手してくれているとか思っとるのか？　対戦はいつでもできるのだから、深夜でも誰かがシフトで張り付いとる、的な。だとすると、実じつにブラックなお仕事と言えよう

また、インターネットに接続していない状態のゲーム機でトランプアプリを楽しんでいる場合、一体どうやって黒子とやり取りしているのか？　密ひそかに裏でネットワーク通信している掟おきて破りか、はたまた謎のテレパシーか？

そうだろう、そうだろう。それこそが正に、コンピューターによる自動プレイヤー

左様

自動プレイヤーの開発目的って観点なら、趣味で興味本位に作るのか、儲けるための商用開発か云々うんぬん、などの方向になるが……

趣味でやるかプロ／ビジネスなのかといった目的によらず、研究的な要素はずばり、より強い自動プレイヤーを実現するための方法を追求するところ

人間の熟達プレイヤーの進め方を観察してルールを抜き出し、プログラムに埋め込む方法がよいのか。ディープラーニングで暗黙知を刷り込むアプローチがよいのか。はたまた、それらを合体させる巧妙な方法があるのか

そして、各研究者が鍛え上げた自動プレイヤーを持ち寄り、対戦させて優劣を競う。更に、勝利した自動プレイヤーについて、なぜその方法が強かったのか、議論・考察する。などなど

どうだ？　様々な話題が出てきそうだろう？

将棋とルールはほぼ同様だが盤面を小さくしたものとして、５五将棋や３三将棋がある。将棋の道具立てを用いる他のゲームとしては、はさみ将棋、まわり将棋、将棋崩しなどがある。将棋崩しは手先の器用さという感じで数理的とは言い難いが。パズルとしては、詰将棋が古くからあるものとして有名だ。『利かずの駒並べ』ってのもあるな

囲碁に移ると、本来の囲碁は盤面上に石の置き場所が19×19、即すなわち361カ所ある。恐らく初心者学習用だと思うが、本来サイズより盤面を小さくしたものとして、13×13の13路盤、以下同様に９路盤、７路盤、６路盤があるようだ。更に４路盤という極小のものもある模様。これはパズルとするべきか？　他のパズルとしては詰碁が古典として有名だが、碁石拾いってのもある。碁石拾いはニコリ誌でも扱っていたような

次に麻雀だ。これは４人で遊ぶのが基本だが、３人で遊ぶルールもあるな。パズルとしては、四川省や上海などがある

花札はトランプと同様、札のセットなので、やはりトランプと同様に遊び方が色々ある。比較的有名なのは『こいこい』や『花合わせ』だろうか

チェスは欧米等でプレイされる将棋に類似したゲームだが、世界の多くの国で遊ばれているので競技人口は将棋より遥はるかに多い。そのためか、バリエーション的な変則チェス類が多々あるようだが、不勉強でよく知らん。パズルとしては、詰将棋に相当するチェス・プロブレム (chess problem) が有名だが、エイト・クイーンやナイト・ツアーといった数理色の強いものもある

コネクトフォーや五目並べなど『石を直線状に所定数並べたら勝ち』というタイプのゲームはバリエーションが結構ある。素朴な三目並べ (tic-tac-toe) や、立体四目並べなど。主な相違点は、何個並べたら勝つか、平面か立体か、立体の場合に重力の有無、といった感じ。一見、似たようなものなんだが、ちょっとルールを変えただけで難易度が激しく変わったりする模様

ナイン・メンズ・モリスも石というか駒というかを直線状に並べると有利になっていくゲームだが、並べたら即勝ちではない点が深い。最初は交互に１つずつ駒を置いていき、双方が９個ずつ置き終わったら駒を動かす段階に入るという、局面が切り替わるタイプで、この点も特徴的だ。で、盤面の形状や駒数の違うバリエーションが幾つかあるようだ。例えばスリー・メンズ・モリスなど

『ウサギと猟犬』は、ウサギ側プレイヤーと猟犬側プレイヤーとで駒の動かし方や勝利条件が異なる非対称なゲームとして興味深い。こういった非対称ゲームとしては、ほかに『キツネとガチョウ』、十六むさし等がある

ドット＆ボックスは、コンピューターゲーム化される前は紙と鉛筆で遊ぶゲームだったんだが、その手のものも色々あるな。遊ぶ道具立てが同様なだけで、ゲームの内容は様々なんだが。日本ではあまり知られていないようだが、ハッケンブッシュ (Hackenbush) やドミナリング／ドミニアリング (Domineering) などがある。七五三というのもあるが、これは石取りゲームの一種とみなされることもある。石取りゲームってのも、調べるとバリエーション多数

ヘックスのような『マスを任意方向に繋げていく』タイプもそこそこある感触。例えばツイクスト (TwixT) とか、シャノンのスイッチングゲーム (Shannon Switching Game, Gale, Brig-It)

マンカラに至っては、アフリカから中東、東南アジアまで幅広い地域で古くから遊ばれてきたゲームの総称だし。当然、地域毎のバリエーションがかなりあるわけで。『石を撒く』基本動作は共通なんだが、他のルールが少し違うだけでも全く異なった様相のゲームになる模様。アソビ大全に入っているのは、それらの中でカラハ (Kalah) というタイプだと思う。不勉強で全貌はよくわからないが、比較的有名なバリエーションとしてはオワリ (Oware) などがあるようだ。このオワリってのは、アフリカのガーナ等で一般的なタイプらしい